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パースでプレゼンテーション。

パースでプレゼンテーション!

お客様とプランについてお話しする際、パースを書くことが良くあります。簡単なものはその場で書くこともありますが、あらかじめ書いたものを持っていくことが多いです。
なかなか平面図を見ただけでは家の中の全容を掴むことは難しいです。部屋の高さはどんな感じか、窓の大きさや配置はイメージ通りかなど分からないことが多くあると思います。
また、自分の考えたことを正確に伝えるためにも、平面図や断面図など2次元のものだけではなく立体で伝える必要があると思っています。パースを見ていただくことで、お客様とイメージを共有して思いのずれを無くしています。

今回はリビングからキッチンを見たものと、和室とリビングとのつながりを書きました。ポイントは、吹抜けまわりの梁のあらわれ方です。

梁のあらわれ方が空間の中で活きているか、庭とのつながりはどうかなど、お客様との話が進みます。

また、パースはやっぱり手書きに限ります!弊社が建てる家の雰囲気や木のぬくもりを表現するには、手で書いた線がしっくりと馴染む気がします。
お客さまの家づくりがよりワクワクするようなツールとして、パースの精度ももっと高めたいと思います!

奥村

構造材、優れた加工技術

こだわりの加工技術!自社プレカット工場


木の家工房 十木舎では木造建築の要である構造材の加工を
自社工場でおこなっています。

今日はその模様を一部ご紹介します。

京都は京北の山裾に弊社工場はあります。




広い敷地の中に材料置き場や加工場などがあります。
背景には北山の杉やヒノキの木々。


加工場の中では主に土台・桁や梁、柱などの構造材(木造建築の骨組)
の加工を行っています。

これは土台(ひのき)です。コンクリートの基礎の上において柱を支える
大事な部材です。


工場の機械で加工をすると言っても、そこは木を扱う難しいところ・・・
ただ機械に入れたら良いものではありません。

どの面を上にするのか下にするのか、反り(そり)や曲がりはどうかなど、
やるべきことは大工さんと一緒。
熟練のオペレーターによって吟味された木材が加工機の中へ。

柱の入る穴をあけたり、継手(つぎて)の加工をします。



こうして加工された土台。
優れた加工精度と品質は日頃の手入れと製品へ意識のたまものです。
その意識は工場責任者によりオペレーター全員へ徹底されています。


「われわれは大工さんがしていることを大型の機械でやっているだけだ!」
大工経験者である工場責任者の言葉です。


丁寧に梱包され現場へ届けられます。







こうした工場での加工技術があってこそ、我々現場サイドも安心して
上棟を迎えられます。


次はきっちり現場でも施工を進めなければなりません。
改めて気を引き締められた一日となりました。

森谷

京名栗 原田銘木店さん

職人技!京名栗(きょうなぐり)

先日、これぞ伝統的職人技「名栗」をされている京都・京北の原田銘木店さんの
工房にお邪魔しました。

名栗(なぐり)とは「ちょうな」という道具で柱や板を規則的に削って
(はつるといいます)独特な加工を施す、伝統的な技術で
京都の茶室などの数寄屋建築には欠かせない職人技です!


いま現在、この名栗を手加工できる職人さんは原田さんをはじめ
全国にもほんの数名しかいらっしゃいません。

まず、工房を訪れて驚いたのは製材し、広げてある大量の栗(クリ)の材木

栗の木はアクが強いのでこうしてワザと雨ざらしにしてアクを抜くんだとか・・・
また、このほうが早く乾燥するのだそうです。
栗の木特有の香りがあたりに充満していました。



早速、工房の中へ

いきなりの存在感。 これは社寺建築の塀に使う「控え柱」だそうです。

見事なまでの造形美                                

しばらく見入ってしまいました。

仕事中の原田さんが手を止めて、道具を見せてくださいました。

これが前述した「ちょうな」です。大・中・小といったところでしょうか。
色々使い分けるそうです。

ちょうなだけでもこれだけの種類が!

どれも手入れがされていて、刃先はピカピカでした。
いかにもよく切れそう。
「ちょうな」は持つところの独特のカーブが特徴で、
昔から「墨壺(すみつぼ)」・「指金(さしがね)」そしてこの「釿(ちょうな)」
を合わせて大工の三種の神器とされてきました。

少しその使い方を見せていただきました。

慣れた手つきでパン・パン・パンと「はつる」音・・・早くてカメラで追えません。




他にも名栗の施された 栗の一枚板 

名栗フローリングなどもあります。

独特な脚触りが気持ちよさそうです。

原田さんにはいろいろ見せていただき、大変有意義な時間になりました。


幸いにもここ京都ではこのような伝統的な優れた技術と美しさを身近に感じ、
また実際に触れることのできる環境に恵まれています。

木の家工房 十木舎では設計の奥村を中心としたスタッフがお客様と一緒になって
打合せを重ね、より良い家造りを進めているわけですが、
是非こういった優れた技術や材料を引き続きご紹介、ご提案していきたいと
考えていますので、よろしくお願いいたします。

森谷

京都鴨川建築塾 構造実習

京都鴨川建築塾に行ってきました!

京都鴨川建築塾は、既に仕事をしている設計者や大工さんなど主に木造住宅実務者を対象とした1年間のスクールです。私も、より広い視野を身につけたいと思い、前期の10期から参加しています。

今季2回目の京都鴨川建築塾は、木構造の第一人者、山辺豊彦先生をお招きしての木材の継手、仕口の実験とその解説を主にした講義でした。
継手(つぎて)、仕口(しぐち)とは、柱や梁など2つの材をつないだ接合部のことを言います。

何種類かの試験体を用意していただき、試験機にかけて実際に引っ張りました!
実際に引っ張ることで、接合部がどんな破断の仕方をするのか、どの程度の体力をもっているのかを確認しようという試みです。



ひとつご紹介します。


鎌継ぎ(かまつぎ)という、非常に一般的な継手です。写真はプレカット(機械加工)による試験体です。材料はひのきです。


試験機で徐々に力を加え引っ張りはじめました。少し後ろが浮いてきてますね。


約1.5トンの力が加わったところで、継手部分が破断して首がめり込み、引っ張る力に堪えられない状態になりました。
こうなると、木材同士では耐えきれないですね。


試験後の外した状態の写真です。
首の部分に力が加わり、剥がれ落ちていました。

なかなかこのような実験は普段見ることはできません。実験を通じて体感することが、より身近に
構造を考えるきっかけにもなります。我々実務者にとっては非常に重要だと思います。
紙面やパソコンの中では得られない、生きた経験をすることができました。

奥村

無垢の一枚板(後篇)

無垢の一枚板(後篇)

先日はひのきの無垢板をご紹介しましたが、
今回はその続きで他の樹種を見ていただきます。

まずは杉(節なし)です。

杉はひのきより色は赤みが強いのですが、木の雰囲気としては少しやさしい感じ
がします。
木の堅さもひのきより柔らかいのでそれも関係があるのかもしれません。
厚さ4.5cmx巾50cmx長さ2mでテーブルには少し狭いので、
カウンターやテレビ台、下駄箱の天板なんかに良いですね。

続いては杉の一等材(節あり)です。

厚さ6.3cmx巾70cmx長さ1.9m
テーブルや座卓でもいいかもしれません。
板の真ん中に川のように色がついているのは、割れ止めの塗装がしてあります。
表面を加工するときれいになくなります。

ひのきと杉は針葉樹の代表的な樹種です。



次は広葉樹です。
広葉樹も種類がたくさんあります。これは栗クリです。

タモ・クリ・カシ・ブナなどは木目も似ていて詳しい方でないとなかなか判別は
難しいですが、いずれも堅木で木目も落ち着いていて雰囲気はいいですよね。

杉などに比べて表面が堅いので、書き物をすることが多いカウンターには
これらの堅木の方が書き跡が残る心配が少なくて済むかも・・・


きれいに仕上げてオスモなどの自然系オイルなどを塗ると、木目もはっきり
浮き上がりとてもよくなります。




同じクリでもこんなのがありました。


急な山の斜面で大きくなったのでしょうね・・・根元がかなり曲がってます。


このカーブを生かしたカウンターとかどうでしょう?なかなか面白いものが
できそうですね。

最後は楠(くすのき)です。

くすのきといえば、日本では巨木に育つことでも有名ですが
特徴としてはその香りでしょうか。
樟脳(しょうのう)の成分を含むからですが、そのおかげで
耐朽性に優れているんですよ。

今回のご紹介はここまでですが、これらはほんの一部です。
まだまだいろんな種類や大きさの木材を取り揃えていますよ。

十木舎では今後も色々な木材や建材のこと、またそれらの
加工状況やメンテナンス等をお知らせしたいと思いますので、
今後とも宜しくお願いします。

また、お知りになりたい情報などございましたら、お気軽に
お問い合わせください。

森谷