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現場日記 岩倉の家

岩倉の家  外壁工事

今年最後の現場日記は工程も終盤に差し掛かってきました、岩倉の家からです!
十木舎では外壁の仕上がりに吹き付けのコテ押えを標準仕様として採用しています。
今回はその模様を少しご紹介しますね。

まずは主構造である柱・梁に耐震性・調湿・環境性能を
兼ね備えた面材(モイス)を貼ります。

このモイスの上に透湿・防水シートを張り、雨水の侵入を防ぎます。

シートの上にサイディングの下地でもある胴縁という下地木材を打ち付けます。

これにより外壁内に空気層が確保され、壁内の結露防止の役目も果たします。


続いては、この下地の上に無塗装のサイディングを貼っていきます。
これが吹き付け仕上げの下地材となるわけですね。

サイディングも1枚が90cmx3mにもなる大判のもの使用して、割れやクラックが
入りにくい様にしています。ただし、1枚1枚が大きいが故にとても重たく、
施工する職人さんは並々ならぬ苦労があります。


とはいえ、施工した外壁に何か不具合が出ては大変と。。。
職人さんは気合いを入れてキッチリ施工してくれました。



サイディングが貼れると、次は塗装屋さんの出番です。
ジョイント部分に割れ止めの処理を施します。

また、このジョイント部分をなくすことによって、吹き付けのパターンが
連続することとなり、よりスッキリとした印象に仕上がるのです。



続いて塗料が付きやすいようにシーラーという接着剤を塗っていきます。



それが乾燥してから、一度下吹き付けを行います。

この下吹きが仕上がりの良し悪しを左右するといっても良いので、
とても慎重に施工していきます。

ここまで来ると後はいよいよ仕上げ。
骨材(細かい砂や石)が入った仕上げ吹き付けです。

この吹付をしてすぐさま、あとを追うようにコテを使ってパターン(模様)を付けていきます。



熟練の職人さんにより、手際よく施工されていきます。


このように仕上がるまでには、いくつもの種類の工程によって成り立っております。
外壁工事の流れがざっくりではありますが、わかりましたでしょうか。
ご参考にしてくださいね。


天候の大きな崩れもなく、外壁の吹き付け作業も無事終了。


外壁工事が終わると、現場は足場を外す準備に取り掛かります。
いよいよ外観がすがたを現します。ドキドキして楽しみな瞬間でもあります!

今回、吹き付けを担当してくれた職人さん。
仕事の合間に素敵な笑顔で答えてくれました!!

今年の十木舎の現場日記はここまでとさせていただきます。


来年も家造りの現場から、いろいろご紹介できればと思いますので、

宜しくお願いいたします。それでは皆様よいお年をお迎えください。

森谷


松井山手の家 仕上げ

今回の現場日記は いよいよ完成間近の松井山手の家からです。

家の雰囲気や住み心地を印象付けるものとして「建具」が非常に大きく
かかわってきますよね。
十木舎では室内建具はすべて建具職人さんに製作してもらった、
オリジナル建具を採用しています。


こちらはトイレ入口ドア   杉の赤柾板 貼 です。


柾目板特有の端正な木目でとても落ち着いた印象です。
こちらのお宅では、トイレの中も建具とマッチした杉の柾目板で腰板を
貼らせていただきました。



続いて玄関からリビングへの扉には
これも十木舎オリジナルの格子戸です。



キッチンカウンター下には便利な収納を設け、その扉には
ヒノキの柾目板を使った建具を制作。
サイドのパネルもそれに合わせて無垢のヒノキ柾目板であつらえています。

こちらのお宅ではお施主様のご厚意により内覧会をさせていただく予定です。
是非実物で写真では伝わりにくい本物の質感を体感していただきたいものです。



外部では外構工事も始まっています。
外部の仕上げも家の雰囲気には大切ですよね。

この日は左官屋さんが玄関ポーチを仕上げている真っ最中でした。
十木舎の標準仕様「ふき取り仕上げ」

モルタルに土色を付けその上から砂利を撒きます。

コテで均したのちに表面をふき取って、三和土(たたき)調に仕上げます。

どれだけ石を見せるのか・・・自然な風合いに仕上げるのが職人技!

同じく外部では大工さんがウッドデッキと板塀の工事にとりかかります。

西岡棟梁と大工の石嶺さん   

絶妙なチームワークで仕事の段取りが進みます。

ウッドデッキ・板塀とも桧の板を使用。
完成後の塗装には身体への影響の少ない「オスモ塗料」を使用します。



間もなく外構工事が完了すると完成お引渡しとなります。

仕上げの工事が現場としても一番気を使うところではありますが、
「お客様にご満足していただけるものを作る」

最後まで気を引き締めてまいります。

森谷




現場日記 岩倉の家から

岩倉の家   <軒のこと>

 季節の移り変わりも早いもので、紅葉の便りが聞こえてくる季節となりましたね。

今回の現場日記は周辺にも紅葉の見どころがたくさんある「岩倉の家」からです。

前回もご紹介しましたが、こちらのお宅はリビングに6mを超える梁が入っており
その梁を軒先に長くはね出すことによって、深い軒を支える構造になっています。


家とって<軒>はとても重要な役割をもっていることは、
あまり知られていないかもしれませんね。
春夏秋冬、日本は四季によって多様な気候風土があります。

軒の主な役目として

・夏の厳しい日差を遮り、日光を調節してくれる。
・建物が濡れにくい。吹き込みを防ぐ。
・外壁の汚れ、傷み・劣化を防ぐ。

などがあげられます。特に木造建築には有効かもしれませんね。

事実、昔からの伝統的な木造建築には深い軒が備わっていることからも、
その効果が伺えます。

こちら岩倉の家では、リビングの吹き抜けの前面に特に深い軒が設けられました。

梁をはねだすことによって1m80cmの軒が可能になりました。

軒の天井には、大工さんによって丁寧に張られた杉板
とてもキレイで、建物を引き立てます。




梁とそれを支える柱の間には、大きめのガラスをはめ込み
とても明るく開放感のある空間を実現しました。


これでガラスや軒の工事も終わり、現場は外壁を張っていく工事へと入ります。

大工さんは外部の工事から、いよいよ本格的に内部の造作工事に移っていきます。
ますます気合いが入っていますよ。

今後も現場の進捗の様子をご紹介できればと思っていますで、
宜しくお願いします!

森谷








 

松井山手の家 現場日記

松井山手の家から  <大工さんと左官屋さん>

今回の現場日記は工事もいよいよ大詰めとなってきました松井山手の家
からのお届けです。

十木舎の家造りの最大の特徴でもある無垢の木を生かすには
大工さんの腕、技術がとても重要になります。

昔から長い年月をかけて培われた技術や大工道具を目にすると、
改めて感心させられると共に、先人の知恵にも思いを馳せる日々であります。


松井山手の家の大工棟梁 西岡さんも日々現場で汗を流してくれています。

カンナやノミなどの刃物を研ぐのも大事な仕事のうち

この日は杉やヒノキの枠材をカンナで削る作業です。

このように現場でカンナ掛けをしている住宅建築現場も少なくなってしまいましたが、
十木舎の現場では、まだまだ健在です!

現場にはシュー・シューとカンナで削る音が響きます。

リビングには桧の無垢板で本棚を造作中です。




続いては左官屋さんです。
大工さんが造作を終えると、続いては左官屋さんの出番です。
十木舎の壁・天井は珪藻土の塗りを標準仕様としています。
今では調湿効果があることはよく知られていますね。

風合いもやわらかで良い感じになります。


珪藻土の材料を配合して、よく混ぜ合わせます。色も見本から選んでいただけます。

下地塗りが乾いた後、仕上げ塗りです。

左官屋さんの見事なコテさばきでみるみる仕上がっていきます。


狭い所や注意が必要なところは念入りに。

壁と天井の際もスッキリと見せるため、木をつけない仕様にしています。
ただし左官屋さんにとっては、技術が必要になり手間もかかるんだとか・・・

職人さんのそんな努力も、仕上がったところだけを見るだけでは
なかなか分からないものですね。



松井山手の家 工事も順調に進み、いよいよ仕上げの段階に入っていきます。

現場を納めるため、ますます気を引き締めてまいります。

森谷

新しいスタート

前回のブログでもご報告しましたが、先日、京都市岩倉の現場にて、上棟式を無事に迎えることができました。
いよいよ十木舎の要でもある大工さんの仕事がスタートです。


とは言いましたが、実は棟上げの前から大工さんの下準備は始まっています。
以前のブログでもご紹介した事がありますが、十木舎は右京区京北にある自社のプレカット工場にて構造材を加工しております。

今回はこの場所、巨大な木材加工機械が並ぶまさにその横で、大工さんが手仕事による構造材の調整を行いました。


細部を美しく仕上げるための加工を施していきます。



最新機械による精密な加工と、職人の技術による仕上げの融合です。



元大工さんでもある現場監督の森谷も加勢して進めていきます。

すっかり職人の顔になっていますね。

次から次へと仕上がっていき、無事に上棟の準備が整いました!


これらの下準備がどのような空間に仕上がっていくのか。楽しみですね。


さて、この記事のタイトルを「新しいスタート」とさせていただきましたが、棟上げによる新たなスタートだけではないのです。
実は先月9月から新しい設計スタッフとして、「長岡京の家」を設計しておりました、山浦が加わりました。
木の家の作り手として、長く愛される住まいを皆さまと一緒につくっていきたいと思います。
今後、打合せや見学会などで皆さまとお会いすることがあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは次回をお楽しみに。

山浦